2026年7月25日
- 家づくり豆知識
猫と暮らす家づくりで考えることは?キャットウォーク・脱走防止・におい・爪とぎ対策
猫と一緒に暮らす家をつくるなら、人の使いやすさだけでなく、猫が安心して過ごせる工夫も間取りに組み込みたいところです。
あとから家具で対応できることもありますが、壁の下地や窓の位置、トイレの置き場所などは、建てる前に決めておくほうがきれいに納まります。
この記事では、キャットウォーク、脱走防止、におい、爪とぎの4つのテーマに分けて、注文住宅で考えておきたいポイントを順番に紹介します。
結論:居場所・脱走防止・におい・傷対策の4つを設計段階で決める

先に結論をお伝えします。
猫と暮らす家づくりで、建てる前に決めておきたいのは次の4つです。
- 居場所:キャットウォークや棚で、上下に移動できる場所と、落ち着いて休める場所をつくる
- 脱走防止:玄関や窓、ベランダなど、外につながる場所の出入りを管理できるようにする
- におい:猫のトイレの置き場所と換気を、最初から間取りに組み込む
- 傷対策:爪とぎの場所を決め、壁や床の素材を選ぶ
どれも、完成後に家具や市販品で補うことはできます。
ただ、壁の中の下地補強や窓の配置、換気扇の位置は、工事が終わると変えにくい部分です。
猫と人の両方が無理なく暮らせるように、猫と暮らす予定があることは、設計の最初の打ち合わせで伝えておくことをおすすめします。
キャットウォークとキャットステップ:上下運動できる居場所のつくり方

猫は高い場所から周りを見渡したり、上下に移動したりすることを好む動物です。
家の中に上下の動きを取り入れると、限られた床面積でも猫の活動範囲が広がります。
キャットウォークやキャットステップを計画するときは、次の点を確認しておきましょう。
- 下地の補強:棚を壁に固定するには、壁の中に下地が必要。設計段階で位置を決めておくと、後付けより丈夫に取り付けられる
- 動線のつながり:行き止まりをつくらず、上り口と下り口を分けると、猫同士がすれ違いやすい
- 掃除のしやすさ:高い場所はほこりがたまりやすいので、人の手が届く高さや脚立を置ける位置を考える
- 照明との位置関係:照明の真下や近くに棚をつくると、猫がぶつかったり、器具に毛がつきやすくなったりする
吹き抜けや階段まわりは、上下のつながりをつくりやすい場所です。
窓の近くに休める場所を設けると、外を眺めながら過ごせる居場所になります。
脱走防止:玄関・窓・ベランダの「外とのつながり」を管理する

環境省の「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」では、猫の所有者は、病気の感染防止や不慮の事故防止などの観点から、屋内飼養に努めることとされています。
家の中で暮らす猫にとって、外への出入り口をどう管理するかは大切なテーマです。
脱走しやすい場所と、設計でできる工夫の例を挙げます。
- 玄関:来客や宅配の対応でドアを開けたすきに出てしまうことがある。玄関ホールと室内の間に扉や引き戸を設けると、二重の区切りになる
- 窓:網戸は猫の力で外れたり破れたりすることがある。開け閉めの多い窓は、位置や開き方、面格子の有無を検討する
- ベランダ・勝手口:洗濯物を干すときなど、人の出入りが多い場所は、室内側で猫が入れない区切りをつくると安心
また、来客が多いご家庭では、猫が落ち着いて隠れられる部屋を一つ決めておくと、出入りの管理がしやすくなります。
におい対策:トイレの置き場所と換気を間取りに組み込む

猫のトイレは、置き場所によって家全体のにおいの感じ方が変わります。
完成後に置き場所を探すと、リビングの隅や通路に置くしかなくなることもあります。
間取りの段階で、次の点をあわせて考えておきましょう。
- 置き場所:洗面所や階段下、収納の一部など、人の動線から少し外れていて、猫が静かに使える場所
- 換気:トイレを置く場所の近くに換気扇や給気口があると、においがこもりにくい
- 掃除と砂の処理:砂の補充や片づけがしやすいよう、近くに収納や手洗いできる場所を確保する
- 床の素材:砂が散らばりやすいので、掃除しやすく水拭きできる床材を選ぶ
家全体の換気計画とあわせて考えることも大切です。
空気の流れを計画している家では、トイレの置き場所を排気側に寄せるなど、においが広がりにくい配置を検討できます。
爪とぎ・傷対策:爪とぎの場所を決めて、壁と床の素材を選ぶ

爪とぎは猫にとって自然な行動なので、やめさせるより、爪をとぐ場所をあらかじめ用意するほうが現実的です。
家づくりでは、次のような工夫ができます。
- 爪とぎの場所をつくる:柱の一部や壁の角に、交換できる爪とぎ用の素材を取り付けられるようにしておく
- 腰壁:壁の下のほうに板や傷に強いパネルを張ると、クロスがはがれるのを防ぎやすい
- 床材:表面が滑りにくく、傷や汚れに強い床材を選ぶと、猫の足腰にもやさしく、掃除もしやすい
- 建具:扉の下部や引き戸の取っ手まわりは、傷がつきやすい場所。素材や形を選んでおく
猫がよく通る場所や、窓辺など好んで過ごす場所の近くに爪とぎがあると、ほかの場所で爪をとぐことが減りやすくなります。
どこで過ごすことが多いかを、今の暮らしから思い出してみると計画しやすくなります。
加藤建築の家づくりでは:猫も人も心地よく過ごせる居場所づくり

加藤建築のトップページでは、家づくりで形にしたい想いの例として「猫と心地よく暮らしたい」を挙げています。
デザイン・自由設計のページでも、「猫も人も、心地よく過ごせる居場所づくり」を紹介しています。
施工事例の新築×デザイン case20(猫と暮らす キャットウォークのある家)は、キャットウォークのある住まいです。
ギャラリーには、キャットタワーのあるリビングや階段の吹き抜け、キッチンとリビングの仕切り、たたみスペースなどの写真を掲載しています。
加藤建築では、設計の段階から大工が関わり、営業・設計・施工を同じ担当者が一貫して受け持ちます。
キャットウォークの下地や棚の高さのように細かな納まりが必要な部分も、現場を知る視点で一緒に考えます。
着工後もコンセントの位置などを現場で確かめながら決めていけるので、猫の動きを思い浮かべながら調整できます。
まとめ:今の暮らし方を伝えることが、猫と暮らす家の第一歩

この記事の要点を整理します。
- 猫と暮らす家は、居場所・脱走防止・におい・傷対策の4つを設計段階で考える
- キャットウォークは、壁の下地補強と、上り口と下り口のつながりを先に決める
- 玄関や窓、ベランダは、外とのつながりを管理できる区切りをつくる
- トイレの置き場所は、換気と掃除のしやすさをセットで計画する
- 爪とぎの場所を用意し、腰壁や床材で傷を防ぐ
猫の性格や年齢、頭数によって、合う間取りは変わります。
打ち合わせでは「どこで寝ていることが多いか」「よく爪をとぐ場所はどこか」など、今の暮らしの様子を伝えていただくと、計画に反映しやすくなります。
加藤建築の無料個別相談では、猫との暮らし方も含めて、間取りやデザインのご相談を承っています。
よくある質問
Q. 猫と暮らす家で、キャットウォークは後付けできますか?
A. 後付けもできますが、棚をしっかり固定するには壁の中に下地が必要です。新築の場合は、設計段階で位置を決めて下地を入れておくと、丈夫できれいに納まります。
Q. 猫の脱走を防ぐために、間取りでできることはありますか?
A. 玄関ホールと室内の間に扉や引き戸を設けると、玄関ドアを開けたときの脱走を防ぎやすくなります。窓の位置や開き方、ベランダへの出入り口の区切りもあわせて検討しましょう。
Q. 猫のトイレはどこに置くのがよいですか?
A. 洗面所や階段下など、人の動線から少し外れていて、猫が静かに使える場所が向いています。近くに換気扇や給気口があると、においがこもりにくくなります。
Q. 猫は室内飼いにしたほうがよいのですか?
A. 環境省の「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」では、病気の感染防止や不慮の事故防止などの観点から、猫の屋内飼養に努めることとされています。家づくりでは、室内で快適に過ごせる居場所と、脱走しにくい出入り口の工夫をあわせて考えると安心です。